布目の使用方法


1. 各部名称と機能

布目には手書き文字入力モード、キーボード入力モード、記号入力モードの3 つのモードが用意されてます。ここでは、各モードの画面と機能を説明します。 漢字変換は、コンパイル時にWnnを使用するように指定した時のみ利用できま す。デフォルトでは、利用できません。以下では、画面のボタン配置は、PDA 用で説明しますが、ハンドヘルドPC用でも利用法は同じです。

1.2 手書き文字入力モード

手書き文字入力モードは、起動時のモードです。手書きで文字を入力する 場合は、このモードを使います。このモードでは半角文字は入力できません。 キーボード入力モードを使って下さい。画面は次のようになっています。

・認識文字フィールド
認識結果を表示する。ここをタップすると認識候補がポップアップします。 また、漢字変換中は変換候補がポップアップします。
・手書きフィールド
ポインティングデバイスを使って、文字を書きます。
・消去ボタン
入力中の文字をすべて消去します。
・空白ボタン
認識文字フィールドに空白を挿入します。
・改行ボタン
改行コードをクライアントに送ります。認識文字フィールドに 文字がある場合は改行コード付で文字列をクライアントに送ります。
・認識ボタン
手書き文字を認識する。漢字変換中は文字を元に戻します。
・変換ボタン
認識文字があるとき、認識文字を漢字変換します。コンパイル時にWnnを使用す るように指定した時のみ存在します。
・確定ボタン
認識文字フィールドに文字があるとき、文字列をクライアントに送ります。
・後退ボタン
認識文字フィールドの文字を後ろから1文字消去します。漢字変換中は文字を元 に戻します。
・登録ボタン
辞書への文字パターンの登録を行なう登録ツールを起動します。
・KBDボタン
キーボード入力モードに移ります。
・記号ボタン
記号入力モードに移ります。

1.2 キーボード入力モード

手書き文字入力モードから、KBDボタンをタップするキーボード入力モー ドに移ります。キーボード入力モードでは、手書きでは入力できない半角の英 数字、記号やコントロール・コードなどが入力できます。画面は次のようになっ ています。

・キーボードフィールド
クライアントに送信する文字を表示します。
・SHTボタン
選択状態の時、Shiftキーが押されていることを示します。
・CTRLボタン
選択状態の時、Ctrlキーが押されていることを示します。
・CAPSボタン
選択状態の時、CAPSキーが押されていることを示します。
・改行ボタン
改行コードをクライアントに送ります。
・後退ボタン
後退コードをクライアントに送ります。
・削除ボタン
削除コードをクライアントに送ります。
・ESCボタン
ESCコードをクライアントに送ります。
・手書ボタン
キーボード入力モードから、手書き文字入力モードに戻 ります。

1.3 記号入力モード

手書き入力モードで、記号ボタンをタップすると、記号入力モードに移り ます。手書きでは入力できない全角の記号やどうしても認識してくれない漢字 を入力する場合に利用します。画面は、次のようになっています。

・記号フィールド
クライアントに送信する文字を表示します。文字はJISコード順に表示さ れます。
・コード表示
記号フィールドに表示している文字のJISコードを表示 します。
・前へボタン
送信する文字の候補をJISコード順で1ページ分戻します。
・次へボタン
送信する文字の候補をJISコード順で1ページ分進めます。
・手書ボタン
記号入力モードから、手書き文字入力モードに戻ります。

2. 文字入力の流れ

ここでは布目の3つのモードの入力方法をそれぞれ説明します。

2.1 手書き文字入力モードで入力する

手書き文字入力モードでは、コンパイル時にWnn仮名漢字変換システムを使う ように設定すれば、文字認識による入力以外にも認識した仮名文字列を仮名漢 字変換し入力することが可能です。以下は簡単な文字列入力の流れです。

  1. 文字を手書きフィールドに書き、認識ボタンをタップして、文字を認識させ ます。認識ボタンをタップしなくても、手書きフィールドに続けて文字を書いて いくと順次認識されます。また、暫く置いておいても認識されます。
  2. 書いた文字と認識された文字が異なるときは、認識文字フィールド上の変 更したい文字をタップすると認識文字の候補がポップアップされるので正し い文字を選択してください。候補は、24文字毎に表示します。「前へ」「次へ」 ボタンで、ページ移動して下さい。正しい文字が候補中に存在しない場合は、 「消去」ボタンをタップして、消去後、手書き入力からやり直して下さい。
  3. 仮名漢字変換を行うときは、文字列をひらがなで入力し、変換ボタンをタッ プします。変換ボタンを続けてタップすると、次候補が選択されます。認識文字フィー ルドをタップすると、変換の候補がポップアップされます。Wnnを利用するように設 定されていない場合は、変換ボタンは、存在しません。
  4. 入力したい文字列が確定すれば、入力ボタンを押してクライアントに送信 します。このとき、改行ボタンをタップすると改行コード付で文字列がクライアント に送信されます。認識文字フィールドが一杯になると、左端の文字から順次ク ライアントに送信されます。

2.2 キーボード入力モードで入力する

キーボード入力モードでは通常の半角英数字及び制御文字を入力することが可能です。 以下はキーボード入力モードの簡単な説明です。

  1. KBDボタンをタップして、キーボード入力モードに移ります。
  2. キーボードフィールドの任意の文字をタップすると、クライアントに文 字が送信されます。また、SHTボタンを選択していると送信される文字が変わ り、CTRLボタンを選択しておくと、制御文字が送られます。文字が送られると SHT,CTRLの選択状態は解除されます。CAPSボタンを選択しておくと、CAPSロッ ク状態になります。もう一度、CAPSボタンを選択すると解除されます。

2.3 記号入力モードで入力する

記号入力モードでは漢字の一覧から入力することが可能です。以 下は記号入力モードの簡単な説明です。

  1. 記号ボタンをタップして、記号入力モードに移ります。
  2. 記号フィールドの任意の文字をタップすると、クライアントに文字が送 信されます。送信したい文字がないときは「前へ」、「次へ」ボタンで候補を変更します。

記号入力モードでは、JISコードを指定して入力することも可能です。

  1. JISコード表示をクリックします。
  2. JISコード入力用のウィンドウが表示されますので、16進数で入力します。 3桁まで入力したところで、記号フィールドに意図した漢字が現れますので、 その漢字をタップします。

3. 文字パターン登録

文字パターンをユーザ辞書に登録できます。ただし、この機能は、学習機能の延長 のため、1文字種につき1パターンのみが可能です。略字を登録するという使 い方ではなく、自分の書き方では認識候補に現れない場合に登録するという 使い方をして下さい。学習機能と登録機能の関係は次のようなものです。

布目では、ユーザの癖の学習機能を持っています。これは、以下の様なも のです。

意図した文字が第1候補 に現れず、第2以下の候補から選択し確定した場合、ユーザの手書き文字パター ンの特徴量をユーザ辞書に登録します。次回以降は、この文字が候補の上位に 現れる可能性が高まります。これが繰り返されることにより、意図した文字が 第1候補に現れる可能性は、どんどん高まります。

しかし、これでは、認識候補に一切出現しなかった場合は、学習すること は不可能です。従って、意図した文字が候補に存在しない場合は、別の手段で ユーザ辞書に登録する必要があります。そのために、登録機能を設けています。

3.1 初期画面

手書き文字入力モードで「登録」ボタンをクリックすると、登録ツールが 起動され、次のようなウィンドウが表示されます。

・登録文字種入力フィールド
登録したい文字を入力します。
・登録文字パターン入力フィールド
登録したい手書きパターンを入力します。
・漢字リスト・ボタン
漢字リスト・モードに移ります。
・登録ボタン
登録文字パターンに入力している手書きパターンの特徴量を登録文字種 入力フィールドで指定する文字としてユーザ辞書に登録します。
・消去ボタン
登録文字パターン入力フィールドをクリアします。
・終了ボタン
登録ツールを終了し、ユーザ辞書の変更を布目UIに伝えます。

3.2 漢字リスト・モード

登録ツールでは、登録文字種入力フィールドに登録したい文字を入力する 必要があります。もちろん、通常の布目の方法で入力することは可能です。し かし、そもそも、認識できない文字を登録するのですから、手書き文字認識で は入力できません。従って、記号モードで入力するか、漢字変換を使って入力 します。登録ツールでは、記号モードをもう少し使いやすくした入力方法を備 えています。それが、漢字リスト・モードです。

初期画面で、漢字リスト・ボタンをタップすると漢字リスト・モードに移 ります。画面は、次の通りです。

・漢字フィールド
漢字の一覧を表示します。漢字をタップすると登録文字種入力フィールド に入力されて、初期画面に戻ります。文字はJISコード順に表示さ れます。
・コード表示
漢字フィールドに表示している文字のJISコードを表示します。
・前へボタン
・漢字フィールドに表示している文字をJISコード順で1ページ戻します。
・次へボタン
・漢字フィールドに表示している文字をJISコード順で1ページ進めます。
・索引ボタン
索引ウィンドウを表示します。
・閉じるボタン
初期画面に戻ります。

記号モードの画面に非常に似ています。入力方法も、ほぼ同じですが、索 引ウィンドウだけが異なります。索引ボタンをタップすると次のようなボタン が並んだウィンドウが表示されます。

これらのボタンをタップすると、漢字フィールドの表示を変更することが できます。意味は、以下の通りです。

・記号
記号の先頭部分を表示します。
・英字
全角英字の先頭部分を表示します。
・数字
全角数字の先頭部分を表示します。
・ひら
ひらがなの先頭部分を表示します。
・カタ
全角カタカナの先頭部分を表示します。
・ギリ
ギリシア文字の先頭部分を表示します。
・ロシ
ロシア文字の先頭部分を表示します。
・罫線
罫線の先頭部分を表示します。
・1漢
JIS第1水準漢字を表示します。
・2漢
JIS第2水準漢字の先頭部分を表します。
・前へ
表示文字をJISコード順で1ページ分戻します。
・次へ
表示文字をJISコード順で1ページ分進めます。
・閉じる
ウィンドウを閉じます。

1漢ボタンをタップすると、さらに次のようなボタンが並んだウィンドウが 表示されます。

これは、第1水準漢字をさらに読みで分類して表示を変更できるよう にしたものです。ボタンの意味は以下の通りです。

・あ〜か
読みが「あ〜か」始まる文字部分の先頭部分を表示する。
・か〜け
読みが「か〜け」始まる文字部分の先頭部分を表示する。
・け〜じ
読みが「け〜じ」始まる文字部分の先頭部分を表示する。
・じ〜す
読みが「じ〜す」始まる文字部分の先頭部分を表示する。
・す〜ち
読みが「す〜ち」始まる文字部分の先頭部分を表示する。
・ち〜は
読みが「ち〜は」始まる文字部分の先頭部分を表示する。
・は〜ま
読みが「は〜ま」始まる文字部分の先頭部分を表示する。
・ま〜わ
読みが「ま〜わ」始まる文字部分の先頭部分を表示する。
・前へ
表示文字をJISコード順で1ページ分戻します。
・次へ
表示文字をJISコード順で1ページ分進めます。
・閉じる
ウィンドウを閉じます。

3.3 登録のながれ

  1. まず、手書き入力モードで登録ボタンをタップして登録ツールを起動しま す。
  2. 漢字リスト・ボタンをタップして漢字リスト・モードにします。
  3. 索引等を利用して登録したい文字を漢字フィールドに表示させて、その文 字をタップします。
  4. すると、登録文字種入力フィールドに入力されるので、手書き文字パター ンを登録文字パターン入力フィールドに入力します。
  5. 登録ボタンをタップする。
  6. 終了ボタンをタップする。
  7. 登録ツールが終了して、布目の認識サーバがユーザ辞書を読み直す。