式神バイナリ・キットのインストレーション・ガイド

「式神」バイナリ・キットから 起動用のコンパクト・フラッシュ・メモリ・カード(以下、CFカードと略す)を作成手順と「式神」の起動手順を説明します。

注意
  1. 起動用のCFカードの作成時に初期化を行います。 インストールの作業の前に、CFカード上の大切なデータのバックアップを必ず行って下さい。
  2. 「式神」の起動を行うと、MobileGeer IIの内蔵メモリの内容が すべて消去されます。 式神を起動する前に、内蔵メモリにある大切なデータの バックアップを必ず行って下さい。

1. 動作環境

「式神」バイナリ・キットの使用するにあたって、以下のものが必要です。

2. 起動用CFカードの作成手順

「式神」起動用CFカードを作成する手順を説明します。 起動用CFカードの作成は、PC上のlinuxを用いて行います。 CFカードへの読み書きを行えるようにlinuxの設定を別途行っておいて下さい。

以下のPCで行う作業は root のアカウントで行って下さい。

以下の手順では、 CFカードのデバイスは /dev/hdc に見えている ものとしています。 CFカードのデバイスが何に対応しているかは、 カード挿入後に dmesg のメッセージを見ることで確認できます。 /dev/hdc と異なる場合は、この部分を自分の環境にあった名前にして 以下の手順を実行して下さい。

2.1. パーティションの作成

fdisk を用いて、パーティションの切り直しを行います。

基本領域1に FAT16 で 3Mbyte を確保して、基本領域2に EXT2 で 残りすべてのサイズを割り当てます。

128MbyteのCFカードでの作業例を以下に示します。

 # fdisk /dev/hdc
 
 コマンド (m でヘルプ): p
 
 ディスク /dev/hdc: ヘッド 8, セクタ 32, シリンダ 978
 ユニット = シリンダ数 of 256 * 512 バイト
 
  デバイス ブート   始点      終点  ブロック   ID  システム
 /dev/hdc1             1        25      3184    1  FAT12
 /dev/hdc2            26       978    121984   83  Linux
 
 コマンド (m でヘルプ): d
 領域番号 (1-4): 1
 
 コマンド (m でヘルプ): d
 領域番号 (1-4): 2
 
 コマンド (m でヘルプ): n
 コマンドアクション
    e   拡張
    p   基本領域 (1-4)
 p
 領域番号 (1-4): 1
 最初 シリンダ (1-978, 初期値 1): 
 初期値 1 を使います
 終点 シリンダ または +サイズ または +サイズM または +サイズK (1-978, 初期値 978): +3M
 
 コマンド (m でヘルプ): t
 領域番号 (1-4): 1
 16進数コード (L コマンドでコードリスト表示): 6
 領域のシステムタイプを 1 から 6 (FAT16) に変更しました
 
 コマンド (m でヘルプ): n
 コマンドアクション
    e   拡張
    p   基本領域 (1-4)
 p
 領域番号 (1-4): 1
 領域 1 は定義済です。まずは削除を行なってください。
 
 コマンド (m でヘルプ): n
 コマンドアクション
    e   拡張
    p   基本領域 (1-4)
 p
 領域番号 (1-4): 2
 最初 シリンダ (26-978, 初期値 26): 
 初期値 26 を使います
 終点 シリンダ または +サイズ または +サイズM または +サイズK (26-978, 初期値 978): 
 初期値 978 を使います
 
 コマンド (m でヘルプ): p
 
 ディスク /dev/hdc: ヘッド 8, セクタ 32, シリンダ 978
 ユニット = シリンダ数 of 256 * 512 バイト
 
  デバイス ブート   始点      終点  ブロック   ID  システム
 /dev/hdc1             1        25      3184    6  FAT16
 /dev/hdc2            26       978    121984   83  Linux
 
 コマンド (m でヘルプ): w
 領域テーブルは交換されました!
 
 ioctl() を呼び出して領域テーブルを再読込みします。
 
 警告: DOS 6.x 領域を作成、または変更してしまった場合は、
 fdisk マニュアルページにある追加情報を参照してください。
 ディスクを同期させます。

2.2. mkfs

各パーティションに対して mkfs を実行します。手順は以下の通りです。

 # mkfs -t msdos /dev/hdc1
 mkfs.msdos 2.2 (06 Jul 1999)

 # mkfs -t ext2 -m 0 /dev/hdc2
 mke2fs 1.18, 11-Nov-1999 for EXT2 FS 0.5b, 95/08/09
 Filesystem label=
 OS type: Linux
 Block size=1024 (log=0)
 Fragment size=1024 (log=0)
 30600 inodes, 121984 blocks
 0 blocks (0.00%) reserved for the super user
 First data block=1
 15 block groups
 8192 blocks per group, 8192 fragments per group
 2040 inodes per group
 Superblock backups stored on blocks: 
         8193, 24577, 40961, 57345, 73729

 Writing inode tables: done                            
 Writing superblocks and filesystem accounting information: done

2.3. マウント・ポイントの作成

CFカード上のファイル・システムをマウントするための ディレクトリ作成します。以下のようにして作成して下さい。

 # mkdir /mnt/cf

2.4. ブートローダとLinuxカーネルの展開

ブートローダとLinuxカーネルを DOSのパーティションに展開します。 ブートローダとLinuxカーネルは、バイナリ・キットの以下のファイルに含まれています。

      sikigami-kernel-20010713.tar.gz

このファイルのあるディレクトリに移動して、以下の手順で FAT16 のパーティションに展開して下さい。

 # mount -t msdos /dev/hdc1 /mnt/cf
 # gzip -cd sikigami-kernel-20010713.tar.gz | (cd /mnt/cf; tar xf - )
 # sync; umount /mnt/cf

2.5. ユーザランドの展開

ユーザランドを EXT2のパーティションに展開します。 バイナリ・キットの以下のファイルにユーザランドをまとめています。

      sikigami-userland-20011002.tar.gz

このファイルのあるディレクトリに移動して、以下の手順で EXT2 のパーティションに展開して下さい。

 # mount -t ext2 /dev/hdc2 /mnt/cf
 # gzip -cd sikigami-userland-20011002.tar.gz | (cd /mnt/cf; tar xpf - )
 # sync; umount /mnt/cf

以上で、起動用CFカードの完成です。


3. 式神の起動手順

2. 起動用CFカードの作成手順」に従って作成した起動用CFカードを用いて、式神を起動する手順を説明します。 はじめに、Linuxを起動した後に式神の起動を行います。

3.1. Linuxの起動

  1. MobaileGeer II に、作成した起動用CFカードを挿入する。
  2. 「マイハンドヘルドPC」→「メモリカード2」とタップし、 CFカードのフォルダを開く。
  3. 「CYACE」というアイコンをダブル・タップして、ブートローダを起動する。
しばらくすると、Linuxの起動を開始します。 以下のようなログイン・プロンプトが表示されれば、カーネルの起動は成功です。

 Linux-VR miniroot-20010115
 Kernel 2.4.0-test9 on a mips

 onmyo login:

3.2. タッチパネルのキャリブレーションについて

tpcalコマンドを用いて、タッチパネルのキャリブレーションを行います。 次回の起動からはキャリブレーションを省略できます。

キャリブレーションの実行例を以下に示します。

 onmyo login: root
 Last login: Tue Apr 24 15:13:09 on tty1
 [root@onmyo /root]# tpcal > /etc/pointercal
 [root@onmyo /root]# exit

tpcalコマンドの起動後の画面の指示に従って、画面上を5箇所タップし、 キャリブレーションを行います。

3.3. 式神の起動

ユーザ名「siki」でログインし、startsgコマンドを実行します。

実行例を以下に示します。

 onmyo login: siki
 Last login: Tue Apr 24 15:13:09 on tty1
 [siki@onmyo siki]$ startsg


4. マシンの電源を落す手順

マシンの電源を落す手順は以下の通りです。
  1. 式神を終了させる。(「ユーザーズ・ガイド」の「式神の終了」を参照)
  2. root になり、linuxを終了しMobileGeer II を再起動させる。
    手順は以下の通り。

     [siki@onmyo /]$ su
     [siki@onmyo /]# reboot
    

  3. Windows CE が起動した後に電源ボタンを押して本体の電源を落す。